疫病退散!大分から全国に荷物と一緒に特別な妖怪を届けます――。終わりの見えない新型コロナウイルスの感染拡大。その沈静化を願って、半人半魚の妖怪「アマビエ」を描いた大型トラックが大分市でできあがった。17日から全国を走り回る。【河慧琳】
アマビエは、海中から現れ、人々に豊作や疫病を予言するといわれる妖怪。江戸時代に熊本県の海に現れ「疫病が流行したら、私の写し絵を見せなさい」と告げて、再び海に消えた言い伝えがある。
この言い伝えをヒントに、大分市の運送会社「一番運輸」社長の藤田憲靖さん(50)が、トラックの荷台のサイドパネルに、アマビエのイラストを描くことを思いついた。
インターネットで検索し、静岡県を拠点に活動するイラストレーターの東京モノノケさんが描いたアマビエを見つけた。イラストの使用を打診すると、東京モノノケさんも「少しでも力になれば」と快諾し、無償で提供してくれたという。
サイドパネルに描かれたアマビエは、高さ約2・6メートル、幅約2・5メートル。左右両面に描かれ「疫病退散 アマビエチャレンジ」の文字が添えられている。
藤田さんの“アマビエ”トラックは、長距離運送用で、大分から全国各地に荷物を配送する。「この妖怪を見られたら、御利益があると思ってください」と藤田さん。「新型コロナの暗い話題ばかりだけれど、かわいいアマビエのイラストに癒やされてほしい」と笑顔で話した。
東京モノノケさんも「少しでも見た人の心をほぐすことができればと思い描きました」と話す。「妖怪の力をもってしても現在の状況をすぐに変えることはできないのかもしれませんが、さまざまな立場の方と手を携えれば、人の心を明るくすることができるのだと感じています」