新型コロナ、猫同士で感染 海外では飼育放棄のケースも 獣医師「必要以上に恐れる必要はない。人の移動の方が注意必要」

収束まで気が抜けない新型コロナウイルスだが、影響が及んでいるのは、人間だけではない。東京大などの研究チームによれば、猫から猫への感染も確認されたというのだ。海外では飼育を放棄するケースも報告されているというが、専門家は「必要以上に恐れることはない」と警鐘を鳴らす。
ネコ-ネコ感染について米医学誌電子版に発表したのは東大医科学研究所の河岡義裕教授らのチーム。ウイルスに感染した猫と感染していない猫をともにケージに入れたところ、感染していなかった猫からも新型コロナの感染が確認されたという。実験では体温上昇や体重減少など、何らかの体調変化は確認できなかった。
ペットを飼う身にとっては心配な研究結果だが、安田獣医科医院の安田英巳院長は「『新型コロナの感染イコール発症』ではない。現在の研究では、犬や猫などのペットから人への感染、犬や猫から別の犬や猫への感染は極めて難しいとされている」と指摘する。ただ念のため、新型コロナに感染した人の飼うペットに関しては、一定期間の隔離を勧める。
犬や猫の感染をめぐっては、香港で2月下旬に初めて人からペットの犬への感染が確認された。香港当局は感染者の全てのペットを隔離していると報じられた。
ネット上にはペットにマスクを着用させる画像も散見されるが、英国では、猫の新型コロナへの感染を懸念して、飼い主が飼育を放棄するという心ない行動も。救助センターにはすでに10匹もの猫が引き取られているという。中国ではペットが殺処分されたり撲殺されたりすることもあったという。
行き過ぎた行動に前出の安田氏は「心配する声は医院にも届いているが、散歩や食事など日常の生活をしてもらうように指導している。犬や猫よりも、移動の多い人間のほうが、手洗いうがい、マスクの着用など、感染防止対策に講じれば、必要以上に恐れることはない」と話す。
飼ったからには、責任を持った行動を取りたい。