支持率急落に焦った安倍官邸は、今回も“逃げ恥”作戦でしのぐつもりだ。26日付の読売新聞が緊急事態宣言の全面解除を前倒しした背景について、「解除、急いだ首相」と、こう書いていた。
<検察庁法改正案や国民への一律10万円給付などを巡る混乱で、政権への世論の風当たりが強まっており、自粛期間を少しでも縮め、国民の不満を和らげたいとの思いもあった>
解除を早めたのは、国民生活や日本経済への悪影響を懸念したからではない。科学的知見より、自己保身を優先したというわけだ。新型コロナ対策は待ったなしで、やるべきことは山積みだが、通常国会の会期も延長せず、予定通り6月17日で閉じる方針だという。
「通年国会で対応すべき国家的危機なのに、2次補正を成立させたら、サッサと閉じてしまうというのは、自己保身以外の何物でもありません。在宅時間が増え、国会中継や政治ニュースに接した国民から、自粛生活でたまった不満のはけ口にされているという被害者意識があるのではないか」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
これまでも、国会でさまざまな問題が追及され、会期末には支持率が下落しても、国会を閉じれば支持率が回復してきた。その経験則もあるのだろう。
「ただ、国民はすぐに忘れるという楽観論が今回も通用するかどうか。緊急事態宣言を解除しても、新型コロナの感染リスクは消えないし、政治に殺される不安と隣り合わせなのだから、国会を閉じても国民の政権チェックは続くと思います」(山田厚俊氏)
直近の世論調査では内閣支持率が30%を割り込み、内閣支持率と政党支持率を足して50%を割ったら退陣という「青木の法則」が目前だ。さらに与党議員が衝撃を受けているのは、不支持率の高さ。毎日新聞(24日)の調査では不支持率64%、朝日新聞(25日)は52%だった。国民の6割以上が不支持を表明している政権が持つわけがない。
傀儡政権でコントロール
与党内でも、新型コロナがいったん収束したら安倍首相は退陣という声が上がっている。既に次を見据えて、官僚の“石破詣で”も始まっているという。
「どうしても石破元幹事長にだけは政権を譲りたくない安倍総理の周辺は、次の総裁に西村コロナ担当相を担ぐことを考えている。ポスト安倍といわれていた岸田政調会長や加藤厚労相がコロナ対応で軒並み株を落とす中で唯一、知名度だけは高めたのが西村氏だからです。所属派閥は安倍総理と同じ清和会で、経産省出身でもあり、総理周辺の官邸官僚も『軽量級の西村ならコントロールしやすい』と歓迎しています」(官邸関係者)
西村氏は2009年の総裁選に出馬した経験もあり、本人もまんざらではないという。だが、そんな傀儡政権の画策など国民不在も甚だしい。安倍一味を一掃しなければ、この国は何も変わらない。