岐阜県高山市一之宮町のため池で、モリアオガエルが産卵期を迎えている。池の脇に立つ山桜やイチイの木には、枝に白い泡の塊のような卵塊がいくつもぶら下がっている。
モリアオガエルは日本の固有種で指先に丸い吸盤を持ち、樹上生活を「得意」としている。繁殖期以外は主に森の中で生活するが、4月から7月の産卵期になると、生息地近くの池や沼、水田などに集まり、水辺にある樹の上などで交尾する。その時に分泌した粘液を雄と雌がかき回して泡状の塊を作り、中に卵を産み付ける。約1週間ほどでふ化したオタマジャクシは、水面に落下して成長する。
このため池では16年ほど前から産卵が行われており、今年は6月初旬に卵塊を確認した。すでに約60個の卵塊が産み付けられているが、まだまだ増えそうだという。昨冬から今春にかけては雪が少なく、池の水も少なかったので心配されていたが、近くで民宿を営む谷口誉(もと)憲(かず)さん(72)は「梅雨にはいって雨が降り、池の水も安定した。モリアオガエルをはじめ貴重な生き物たちが生息するこの環境を守っていきたい」と話している。【大竹禎之】