持続化給付金でも電通が“隠れみの”に「一般社団法人」に公益性があると思ったら大間違い

新型コロナウイルス禍対策の「持続化給付金」事業の委託を巡り、実体がないトンネル団体だとして問題になった「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ推協)」。

設立に関わった広告代理店の「電通」に、ほぼ丸ごと再委託していたから、「なぜ電通に直接委託しないのか」という疑問が上がっていたが、「社名が表に出るのを避け、『社団法人』という名称によって公的なイメージ醸成を狙ったのだろう」(野党議員)とみられている。

確かに「一般社団法人」には公益性のある組織という印象が強い。だが、実はそれは間違い。「社団法人」は以前は監督官庁の許可が必要な公益法人だったが、2008年施行の「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」により、公益性に関係なく、法務局に登記すれば誰でも設立できる団体に変わっているのだ。

事業内容に制限はなく、営利事業も禁止されていない。株式会社などと異なるのは、利益や資産を分配できないというだけだ。

そんな一般社団法人が増加傾向にあるという。東京商工リサーチが19日に公表した調査によれば、2019年に設立された一般社団法人は6083社で前年比1・3%増だった。新設法人の法人格では「株式会社」「合同会社」に次ぐ3番目の社数。産業別では「サービス業他」が構成比78・8%と圧倒的だった。

■産地偽装や贈賄で代表理事逮捕も

気になるのは一般社団法人による事件が相次いでいること。19年8月、岩手県八幡平市のふるさと納税の返礼品のマツタケの産地を偽装したとして「一般社団法人ドリームプロジェクト」(同県陸前高田市)の代表理事ら2人が逮捕された。同12月には、大阪府岸和田市の市民病院の契約を巡り、医師に謝礼を渡した贈賄容疑で「一般社団法人医療健康資源開発研究所」(東京都豊島区)の代表理事が逮捕されている。今年に入っても今月10日、「一般社団法人全国育児介護福祉協議会」(同新宿区)が多額の支払い遅延を発生させているとして、消費者庁が注意喚起を行った。

そして持続化給付金事業では「サ推協」が設立以来、一度も決算公告をせず違法状態だったことが問題となった。税理士で立正大客員教授(税法)の浦野広明氏がこう言う。

「一般社団法人は公益法人と違って税制優遇があるわけでもなく、商売をしてもいい。株式会社に近い普通の法人です。もっとも、かつての公益イメージがあるのでマズいことに利用するにはもってこい。ちゃんと仕事をしている法人がほとんどだとは思いますが、サ推協のように隠れみのに使っているケースもあるでしょう」

だまされちゃいけないということだ。