新型コロナウイルス対応をめぐり、菅義偉官房長官と小池百合子都知事がギクシャクしている。菅氏は、感染者増加を「東京問題だ」と言い放ち、小池氏は政府の観光支援事業「Go To トラベル」を、「冷房と暖房の両方をかける」と批判した。ただ、この2人、自民党の二階俊博幹事長との関係は良好だ。不思議な「三角関係」は、どう動きそうか。
都内では17日、過去最多となる293人もの新規感染者が確認された。
小池氏は「感染震源地」の負い目もあるのか、「いま感染拡大警報」「都民1人1人や事業者のみなさま方に、最大限の警戒をお願いしている」「国と(埼玉、千葉、神奈川の)3県と連携して対策を進めていく」などと、記者会見で連携をアピールした。
だが、官邸と東京都は最近、「陽性者の連絡不能問題」や「軽症者を受け入れるホテルの確保問題」などで溝が目立つ。背景には、菅、小池両氏の遺恨もありそうだ。
永田町のベテラン秘書は「2012年の自民党総裁選がきっかけだろう。小池氏は当初、安倍晋三首相を支持していたが、最後はライバルの石破茂元幹事長側に寝返った。安倍首相の復活を目指して汗をかいていた菅氏としては『信用できない』という思いを持ったようだ。それ以降、コミュニケーションが難しくなった」と分析する。
ほぼ、犬猿の仲といえる菅、小池両氏だが、何と二階氏は双方と友好関係を維持している。
別のベテラン秘書は「二階氏と菅氏はたたき上げの苦労人だ。ともに秘書、地方議員出身で、いまや数少ない『党人派』といえ、時々、会食もしている」といい、「二階氏は、小池氏と新進党、自由党で同じ釜のメシを食べた。先の東京都知事選でも、都議会自民党の反発をよそに小池氏支援を公言していた。気脈を通じあっている」と解説する。
菅、小池両氏の確執は、新型コロナ対策の障害になりかねない。二階氏が「仲裁」に入ることはあるのか。
政治評論家の伊藤達美氏は「二階氏は融通無碍だ。まずは、様子を見るだろう。菅氏が、二階氏に仲裁を求めることは絶対にない。一方、小池氏が『仲裁をお願いします』と言ってくれば、考えるだろう。この3人には共通項がない。とても『正三角形』にはなれない」と語っている。