「そもそも県内に夜の街ない」知事、再度の休業要請せず

奈良県と奈良市は1日、10~70歳代の男女19人(大阪府発表の2人を除く)が新型コロナウイルスに感染したと発表した。過去最多だった7月23日の13人を更新した。県内での感染者数は計248人(大阪府発表分を除く)。
発表では、19人のうち、10人が20歳代までの若年層。重症は1人で、川西町の70歳代男性。心臓などに基礎疾患があり、現在、人工呼吸器を着けて治療を受けている。
酸素吸入が必要な中等症は、斑鳩町の60歳代男性と橿原市の50歳代男性の2人。ともに感染経路は不明で、県が調査している。
このほかは軽症で、奈良市の10歳代男子高校生は、通学する大阪府内の高校の同じクラスの2人が感染していた。
この日、荒井知事は臨時記者会見を開き、再度の休業要請などはしない考えを示した。「県内で夜の街での感染は皆無。そもそも県内に夜の街はないといってもよく、休業要請する場所は見つからない」と強調した。
7月以降の感染者164人の感染経路を分析したところ、大阪での感染が71人。このうち飲食が56人、買い物が5人、勤務が10人だった。荒井知事は「県内では感染経路がほぼ推定されている。大阪で飲食などをする際は、特に気をつけてほしい」と呼びかけた。
1日時点で、コロナ専用病床(467床)に72人が入院。重症者用(25床)は1床を使い、108室確保しているホテルでの宿泊療養には3人が入る。荒井知事は「現時点で、医療態勢に余裕はある」と述べた。