日本感染症学会(舘田一博理事長)は、今冬に新型コロナウイルス感染症とインフルエンザが同時に流行した場合に備えて、医療機関が取るべき対応をまとめた提言を公表した。発熱やせきなどの症状のみでインフルエンザと診断すると、症状の似ている新型コロナ患者を見逃す可能性があるため、新型コロナの流行地域ではこれらの症状のある患者全員に両方の検査を行うことが望ましいとした。
提言では、新型コロナの地域ごとの流行状況について、2週間以内に都道府県内で新型コロナ患者が確認されていない「レベル1」から、医療機関の周辺地域で感染経路不明の患者が確認されている「レベル4」までの4段階に分類した。
「レベル1」の地域では、発熱などの症状がある患者に対して新型コロナの検査は原則不要とした。「レベル4」の地域では、インフルエンザに加えて新型コロナの検査を症状のある全患者に行うことが望ましいとした。ただ、患者が高齢者など重症化リスクの高い人や医療従事者の場合は、地域の状況に関わらず新型コロナの検査を「積極的に検討する」こととした。
また、「新型コロナとインフルエンザの同時流行を最大限に警戒すべき」だとして、インフルエンザワクチンの接種を推奨した。提言をまとめたメンバーの一人で、けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は「新型コロナ患者に加えてインフルエンザまで流行して患者が入院すると、病床が逼迫(ひっぱく)して医療崩壊につながる。インフルエンザの重症化をワクチンで予防し、早期診断、早期治療をすることが大事だ。新型コロナの検査体制も拡充する必要がある」と呼びかけている。【小川祐希】