ATM引き出し1日10万円に 特殊詐欺防止で70歳以上の一部 福井の4信金

高齢者を狙った特殊詐欺を防止するために、福井県の四つの信用金庫(福井・敦賀・小浜・越前)は20日から、一部の利用者について、キャッシュカードによる現金自動受払機(ATM)引き出し限度額を1日10万円までに引き下げる。県内で初めての試み。【横見知佳】
対象になるのは過去3年間にキャッシュカードを使ってATMで現金を引き出したことがない70歳以上。引き出しの限度額をこれまでの1日50万円から10万円に引き下げる。限度額以上を引き出す場合は、平日の営業時間内に窓口に申し出る必要があり、特殊詐欺の被害を最小限に食い止めたい考えだ。
県警によると、近年は、特殊詐欺グループが高齢者宅を訪ね、言葉巧みにキャッシュカードをだまし取り、犯人が現金を引き出すという「キャッシュカード手交型」の手口が新たに出てきた。キャッシュカードを封筒に入れさせ、高齢者が印鑑などを取りに行っている隙(すき)に別の封筒とすり替える「窃盗型」の手法もあるという。
福井信金などは2017年から振り込め詐欺対策として70歳以上を対象に振り込みを制限していたが、キャッシュカードを使った新たな手法の特殊詐欺に対応するため引き出し制限を導入する。福井信金の担当者は「振り込め詐欺対策で不審な高齢者には声かけをしてきたが犯人が引き出す場合は気付けない。引き出し額を制限することで詐欺の抑止力になれば」と話している。
県警生活安全企画課によると、県内では今年1~8月末までに計19件の特殊詐欺事件があり、約9400万円(昨年同期比約320万円増)の被害が出ている。