東京都杉並区の自宅アパートで2019年、保育士の照井津久美さん(当時32歳)が殺害された事件で、殺人と住居侵入の罪に問われた当時同僚の松岡佑輔被告(33)は24日、東京地裁(下津健司裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で「私は最後まで法廷で黙秘します」と述べた。弁護側は住居侵入罪の成立は認めたが、「被告ではない第三者が殺害した」と殺人罪については無罪を主張した。
被告と照井さんは事件当時、杉並区の同じ乳児院に勤務していた。検察側は冒頭陳述で、被告は15年ごろから照井さんに好意を抱いていたが、照井さんは距離を置いていたと指摘した。
また、被告が着ていたコートから照井さんの血痕が検出されたほか、被告が照井さんを拘束しようとした際に使ったとみられるビニールひもも室内から見つかり、被告のDNA型が検出されたと明らかにした。
一方、弁護側は、ビニールひもからは照井さんと被告以外の第三者のDNA型も検出されていたと主張。「被告が殺害したことに合理的な疑いが残る」と反論した。
起訴状によると、被告は19年3月26日、照井さん宅に侵入し、帰宅した照井さんの背中を包丁(刃体の長さ約14センチ)で1回刺し、失血死させたとされる。【巽賢司】