社会福祉法人元理事長らが1億1500万円流用 新潟市が改善勧告

新潟市は25日、同市西区大友の社会福祉法人「啓真会」(山本一郎理事長)で、元理事長らが多額の法人資金を不正利用したなどとして、社会福祉法などに基づく改善勧告をしたと発表した。総額は1億1500万円に上り、同法人は元理事長らへの損害賠償請求や刑事告訴などを検討する。
市福祉監査課によると、対象施設はいずれも同法人が運営する同区の特別養護老人ホーム「新潟あそか苑」と「大友中央保育園」。市が書類などを確認したところ、多額の未収金の計上などの不自然な会計処理が判明。2019年12月~20年4月に特別監査を実施し、法人側が不正利用を認めた。
おもに不正利用していたのは、元理事長の80代男性、元理事で元保育園長の50代男性の2人。特別監査で不正利用と認定されたのは、<1>元理事長が14年度~20年1月にかけて179回にわたり、計1億601万円を無断で法人口座から引き出した<2>元保育園長が、保護者らから集めた実費徴収金の一部の239万円を自宅に持ち帰った<3>元理事長と元保育園長、その親族が14~19年度にかけ、自宅のグランドピアノ購入費やガソリン代、造園代、入院費などの私的な経費計682万円を施設会計から支払った――の3件。さらに元保育園長は、市の特別監査の際にデータを改ざんし、持ち帰った金額を88万円過少報告していた。
これらの不正利用で同法人の資金繰りが悪化。さらに元理事長が6年間にわたり、会計に計上せず無断で法人名義で計5670万円を金融機関から借りたことも判明した。
市は同保育園に支払う委託費のうち、人件費の上乗せ分約400万円の加算を20年度末まで停止するなどの措置をとる。同法人は20年6月末に、勧告に対し改善結果を報告。同法人は元理事長と元保育園長を解任・解職し、民事・刑事訴訟の両面で責任を追及する方針だ。
同法人は毎日新聞の取材に対し「結果を真摯(しんし)に受け止め、代理人弁護士とともに誠心誠意、法的手続きを進めております」とコメントした。【北村秀徳】