大阪万博ロゴに賛否「かわいい」「気持ち悪い」…菓子のキャラに類似との声も

2025年大阪・関西万博のロゴマークに賛否両論が巻き起こっている。非対称で奇抜なデザインに、ネットでは「かわいい」「愛着がわく」と好意的な声がある一方で、「気持ち悪い」といった「拒否反応」も目立つ。ロゴマークはグッズなどに活用され、「万博の顔」となるだけに、具体的な選考過程を明らかにするよう求める声も上がる。

賛否交錯

「インパクトは圧倒的」「ただただ気持ち悪い」。万博の運営組織「日本国際博覧会協会」(万博協会)が25日にロゴマークを発表すると、ツイッターで反響が広がった。
制作した大阪市のグラフィックデザイナー、シマダタモツさん(55)によると、「セル(細胞)」をイメージした赤い円を連ね、万博のテーマ「いのちの輝き」を表現。1970年大阪万博のシンボル「太陽の塔」にも影響されたという。
ネットでは当初、「候補案の中で一番嫌」など否定的な書き込みが目立ったが、徐々に「グッズが出たら欲しい」と好意的にとらえる声も出始めた。「いのちの輝きくん」「万博くん」などの愛称も飛び交い、ロゴを流用したアニメや編みぐるみの写真も投稿された。
人気漫画や商品のキャラクターに似ているとの声も多く、東ハトの菓子「キャラメルコーン」のキャラクターによる公式ツイッターでは、「ボク、なんか話題になってる」とのつぶやきに、3万8000件以上の「いいね」がついた。
大阪府や大阪市にも電話やメールなどで十数件の意見が寄せられたが、多くは「大阪人として恥ずかしい」「決め直してほしい」など否定的な内容という。
吉村洋文知事は26日、胸元にロゴマークをあしらったポロシャツを早速着用。記者団に「頭にこびりついて離れないような、個性的なロゴマーク」と評した。
賛否が交錯する状況に、松井一郎・大阪市長は、記者団にこう語った。
「興味を持ってもらうことが大切。これだけでも万博の注目度は上がった」
選考過程は非公表

ロゴは昨年11~12月に万博協会が公募し、有識者による選考委員会が5894点から5点に絞り込んだ後、一般から意見を募集。寄せられた6572件の意見も参考に、委員11人が投票で決定した。過半数が今回のロゴに投票したという。
しかし、協会は具体的な投票結果を明らかにしておらず、選考過程で委員から出た意見についても「公表しない」とする。25日の記者会見でも、出席した委員はオンライン中継による1人だけで、委員への質問を受ける場はなかった。
一般から募集した意見は一部が26日に協会のサイトで公開されたが、これが選考にどのように反映されたかについても、協会は明らかにしない方針だ。
野村総合研究所の倉林貴之研究員は「ロゴマークは多くの人に万博を知ってもらう重要な役割を担うが、SNS上で話題を呼んでおり、周知の面では成功といえる」と指摘した上で、「協会側は選考基準やプロセスを可視化し、選んだ理由や狙いを丁寧に説明することが望まれる」と語った。
70年「鶴の一声」で白紙 東京五輪では酷似問題

万博や五輪のシンボルマークを巡っては、「鶴の一声」で差し替えられたり、類似のデザインが見つかったりと、混乱したケースもある。
1970年の大阪万博では、15人のデザイナーと2団体を指名して行われたコンペで、ひょうたんを横にしたような形の上に円を配したデザインが選ばれたが、主催する日本万国博覧会協会の会長だった石坂泰三・経団連会長が「大衆性がない」と批判。改めて作品を募り、選考をやり直した結果、5枚の桜の花びらで世界の五大州を表現したデザインに決まった。
2020年東京五輪の大会エンブレムは、いったん決まった作品が、ベルギーの劇場のロゴマークなど既存のデザインに似ているとする指摘が相次ぎ、大会組織委員会が15年9月、白紙撤回を発表。約8か月後に市松模様をモチーフにしたデザインが改めて選ばれた。