8月の新型コロナウイルスの感染者は山梨県内で76人に上り、月別で最多を更新した。クラスター(感染集団)発生のほか、家族や職場単位の小規模な感染が数字を押し上げ、8月だけで3人が犠牲となった。県は「第2波」に突入したとの認識を示しており、識者も「油断せずに対策の徹底を」と警鐘を鳴らしている。(清水誠勝)
「県内は第2波のまっただ中。引き続き緊張感をもって警戒する必要がある」
先月27日、県の総合対策本部会議で長崎知事は力を込めた。県が
蔓延
( まんえん ) 期に備えて確保した病床数は11病院の計285床に及ぶ。これは8月ピーク時の入院患者数の約7倍にあたる。重症患者用に24床を確保したが、9月1日午後3時現在、入院は1人にとどまる。医療体制には余裕があるが、突発的に1日10人の患者が確認された日もあり、予断を許さない状況に変わりはない。
8月に感染者が確認されなかった日は6日間だけだった。月別感染者数は「第1波」となった4月の47人の1・6倍にあたる。感染者数を7日間の累計でみると、第1波は4月11日の21人がピークだったが、第2波の8月6、7日は30人に達した。18日には甲府市のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で高齢入居者の感染が確認され、検査の結果、職員や併設するデイサービスの利用者ら計16人が関係する県内最大のクラスターとなった。
感染者の内訳をみると、7月の年代別感染者は20~30歳代の若年層が6割を占めていたが、8月は約3割となり、4月と同様に全世代に感染が広がっている。また、発症2週間以内に県外へ行き来したことがある感染者が8月は少なくとも13人確認されている。一方、感染経路が不明の感染者も依然、一定数が発生している。
県疾病対策推進グループの藤井充・知事政策補佐官は「経路不明はかなりの数。未発見の感染源がある可能性がある」と分析する。
経路不明な人多数…山梨大付属病院 井上特任教授
第2波の分析や対策について、県の専門家会議のメンバーで山梨大医学部付属病院感染制御部副部長の井上修特任教授に話を聞いた。
――第2波はどのように発生したか。
「飲食の場面や福祉施設といった、感染しやすい素地のある場面での感染が顕著だった。感染経路が不明な人も多く、『見えないクラスター』が県内で広がっているかもしれない」
――感染を避けるには。
「距離と時間の管理が大事だ。1~2メートルの間隔を空けない飲食は、
飛沫
( ひまつ ) を介した感染のリスクを高める。同じ場に長時間とどまると、空気中に漂うウイルスを吸い込む可能性も増す」
――8月は高齢者を含む3人が亡くなった。
「高齢であること、基礎疾患があることは、それだけで重症化のリスクとなる。このような方々に感染させないよう、社会全体で守ることを考えないといけない」
――どのような意識が大切か。
「敏感になりすぎてもいけないが、『自分が実は感染しているかもしれない』という意識で感染拡大防止に臨むことも必要だ」