2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、東京地裁(高橋康明裁判長)は16日、公職選挙法違反に問われた前法相の衆院議員、河井克行被告(57)と、初当選した妻で参院議員、案里被告(46)の公判を分離する決定を出した。克行議員が15日に弁護人全員を解任したことに伴う措置で、当面は案里議員の公判が先行して開かれる見通し。
刑事訴訟法は、刑の上限が懲役または禁錮3年を超える起訴内容を審理する場合、弁護人がいないと開廷できないと定めており、克行議員は16日の公判に出廷しなかった。高橋裁判長は開廷直後、案里議員に対し、「克行議員が弁護人を解任したことで、(案里議員の)裁判の進行を妨げることがあってはならない」などと分離決定に至った経緯を説明した。
16日から予定されていた、現金を受け取ったとされる地方議員らの証人尋問は案里議員単独の公判として予定通り実施する。一方、地裁は克行議員の期日について、16、17、18日を取り消した。
河井夫妻の公判は迅速に判決を言い渡すように努める「百日裁判」の対象で、年内に55回の期日が指定され、判決は越年する見通しとなっていた。克行議員が弁護人6人全員を解任したことで、克行議員に対する判決言い渡しはさらにずれ込むことになりそうだ。【遠山和宏】