カジノを含む統合型リゾート(IR)事業への参入を巡る汚職事件で、衆院議員の秋元司被告(48)=収賄罪などで起訴=に対する贈賄罪に問われたリゾート施設運営会社「加森観光」(札幌市)前会長、加森公人被告(77)に対し、東京地裁は25日、懲役10月、執行猶予2年(求刑・懲役10月)の判決を言い渡した。丹羽敏彦裁判長は「至れり尽くせりの特別待遇を丸抱えで行った」と述べた。6人が起訴されているIR汚職事件で判決が出るのは初めて。
判決は、IRの誘致を目指していた加森前会長が、秋元議員と家族を北海道に招待したことをきっかけに、IRに関連した立ち入った内容の情報提供を秋元議員から受けたと認定。加森前会長側は最上級客室への宿泊費や飲食・遊興費を肩代わりしており、「自らの思惑の下に応分の負担をした」と認めた。
判決によると、加森前会長は、ともにIR誘致を目指していた中国企業「500ドットコム」元顧問の紺野昌彦(49)、仲里勝憲(48)両被告=贈賄罪で起訴=らと共謀。秋元議員が家族で行った2018年2月の北海道旅行の旅費約76万円相当を肩代わりした。
25日は紺野、仲里両被告の公判も開かれ、検察側は紺野被告に懲役2年、仲里被告に懲役1年10月を求刑した。弁護側は寛大な判決を求めて結審した。判決は10月12日。
検察側は論告で、両被告が秋元議員からIR整備に向けた政府与党内の検討状況や法案の提出時期の見通しの情報を得ていたと指摘。両被告は17年9月から約半年で、4度にわたって計約760万円相当の賄賂を提供しており、発覚を防ぐための巧妙な工作もしていたとした。
一方、両被告の弁護側は、4件の賄賂の提供は、いずれもドットコム社の最高経営責任者が決定したと反論した。両被告は、秋元議員側から賄賂を渡したことを否定する証言を公判でするよう依頼され、報酬の支払いも持ち掛けられたが断ったとし、更生の可能性が大きいと訴えた。【遠山和宏】