クマの出没が急増し、人身事故が相次いでいることを受け、山形県は4日、県民の安全を確保するためクマ出没に関する対応レベルを初めて策定し、「注意報」を発令した。同日開いた関係機関との対策会議で決定。人に危害が加わる恐れがある場合、市町村の判断で捕獲ができることなども確認した。【的野暁】
県によると、今年の目撃件数は5月以降40~90件台で推移していたが、10月に261件に急増。これまでになかった住宅街や平野部など、人の生活圏に出没している。例年、出没が減少傾向になるはずの10月にも人身事故が3件発生。年間では計5件となり、県は「特異な出没状況」として、3段階の対応レベルを初めて定めた。
人身事故が1~4件で「注意喚起」を発令し、市町村などに注意喚起を依頼。同5件以上で「注意報」、死亡事故が1件発生した場合に「警報」に引き上げる。いずれも、SNSや広報車などで厳重な警戒を呼びかけるほか、警察や猟友会によるパトロールを行うなどし、注意報以上で対策会議を開く。
県が把握する限り、1988年に3件の死亡事故があり、人身事故は2010年の11件が最多という。対応レベルの発令は、人里に雪が降るまではクマの活動があるとし、12月25日までとした。
また、銃刀法などにより、市街地で銃を使った捕獲はできないが、警察の命令があったり、人命に危険が迫ったりしている場合は緊急で銃を使用できるとした。人や家畜に危害を加える恐れがある場合は、ハコワナや追い払いによる捕獲許可が市町村にあることなどを確認し、各機関との連携強化を強調した。
山形県みどり自然課の石山清和課長は「市街地に突然現れて人を襲う例が多い。川や、やぶの近くでは注意してほしい」と話した。
県対応レベル
レベル=状態、対応策
警報=死亡事故1件、対策推進チーム会議開催
注意報=人身事故5件、対策推進チーム会議開催
注意喚起=人身事故1~4件、市町村や報道機関に注意喚起依頼