秋田県医師会は4日、秋田市内での記者会見で、県内で性感染症の梅毒の感染者が急増している問題に言及した。事態の深刻化が懸念されるとして、状況の把握と感染防止のための注意を強く県民に呼びかけた。【高野裕士】
秋田県保健・疾病対策課によると、今年に入り県内で報告があった梅毒感染者数は10月25日現在で67人となり、現在の形式で統計をとり始めて過去最多だった2019年の年間感染者数(28人)を既に大きく上回っている。
秋田県内では40代、50代男性が感染者の約4割を占める中、全国的には20代女性の感染が最も多い。県医師会の大山則昭常任理事(産婦人科)は今後の県内の感染傾向として、女性については「20代がピークになる時期がいずれ来ると考えている」と予測した。
また感染に気づかず妊娠した場合、胎盤を介して胎児が感染する「先天梅毒」の危険性にも言及。妊娠初期に行う検査の結果が異常なしでも、その後の性交渉で妊婦が感染し胎児が先天梅毒になった例を挙げ、検査以降も注意が必要だと強調した。
予防策としては、感染拡大を意識し不特定多数との性的接触を避ける▽衛生器具を適切に使用し感染の危険性を減らす――ことを挙げた。また「疑わしい症状が出た時は、匿名・無料で検査が可能な保健所の受診などを早めに行ってほしい」と呼びかけた。
一方、会見では新型コロナウイルスの検体採取への協力の意向を示した開業医などの医療機関が全県で110施設(4日現在)に上り、県内での1日での検体採取可能件数が約1300件となる見通しを明らかにした。