新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け、鈴木直北海道知事と札幌市の秋元克広市長は4日、道庁で緊急会談し、感染拡大が著しい同市の繁華街ススキノで酒を提供する飲食店などを対象に営業時間の短縮要請を検討することで一致した。専門家の意見を踏まえ、時短営業の実施時期など詳細を詰める。【山下智恵、高橋由衣、源馬のぞみ】
道内ではススキノを中心にクラスター(感染者集団)が多発。道は独自の防止指標「警戒ステージ」を10月28日に「2」に引き上げたが、今月2日には過去最多96人の感染が確認されるなど感染拡大に歯止めが掛からない。時短営業検討の背景にはこうした事態への危機感があり、より強い措置で臨む姿勢を示した格好だ。
会談は非公開。終了後、鈴木知事は「繁華街のクラスターなど今の状況に非常に危機感を持っている。強い措置を検討せざるを得ない」と述べ、時短営業など現在より踏み込んだ要請が必要との認識を示した。秋元市長は「準備・周知期間もあり、今日、明日ではないが早急に検討を進める」とした。今後専門家の意見も聞き、対象業種や時間帯などを決める。
ただ、警戒ステージとの整合性は不明だ。「2」は注意喚起にとどまるが、「3」は「不要不急の外出自粛の要請」など経済的影響が大きい。秋元市長は「基本は感染防止と経済活動の両立。アクセルとブレーキをその都度考える必要がある」と述べ、鈴木知事も「抑え込みは今が正念場」と発言。「3」に移行せず、時短営業の要請を示唆することで感染防止の徹底を図りたい思惑があるとみられる。
道が警戒ステージで重視する使用病床数は231床(4日現在)で「3」の指標250床に迫る。ただ、現在確保している全道622床からすれば余裕があり、医療機関に要請すれば最大1811床まで増やすことが可能だ。
しかし、気温低下に伴い窓を開けるなどの換気が難しくなり、インフルエンザの同時流行の懸念もあることから「より強い対策」が必要と考えているようだ。こうした中、札幌市では病床数を増やすことも検討されている。
知事と札幌市長の主な発言
・札幌市内、特にススキノではクラスターが発生。飲食店などの時間短縮を検討する
・基本的には社会経済活動との両立だが、比重はその都度考える必要がある
・感染が全道に拡大すると、現状よりも強い措置を検討せざるを得ない
・道と市は感染対策で協力を強化する