東北電力女川原発2号機(宮城県石巻市、女川町)の再稼働に同県の村井嘉浩知事が同意したことを受け、石巻市に隣接する美里町の相沢清一町長が11日、取材に応じ、「慎重になるべきだと訴えたが、知事に届かなかった」と話した。
同町は原発事故が起きた際、石巻市から3500~4000人の避難者を受け入れる計画。町内の一部地域は屋外避難の対象となる30キロ圏(UPZ)に含まれ、相沢町長は以前から再稼働に反対していた。
相沢町長は事故時の避難計画について、「机上の空論。来年2月に初めて訓練をするようだが、どのような規模で実施するのかも知らない」と述べた。「町としてもどのような形で対応したら良いか分からない中での地元同意は、拙速と言わざるを得ない」と批判した。
村井知事に対しては「引き続き県民に対して十分に説明する義務がある」と指摘。「今後何十年と続くレールが敷かれた。首長として覚悟を持ち、意見を言い続ける」と強調した。
[時事通信社]