広島の「黒い雨」控訴審、原告側「早く被爆者と認めてほしい」

広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」で健康被害を受けたとして、広島県内の住民84人が広島市と県に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が18日、広島高裁(西井和徒裁判長)であった。被告側は全員を被爆者とした1審判決について「科学的知見に基づいているとは言えない」として、判決の取り消しを主張。原告側は控訴棄却を求めた。
この日の弁論には原告団長の高野正明さん(82)(広島市佐伯区)が出廷し、「原告に残された時間はわずかしかない。早く被爆者と認めてほしい」と訴えた。
今年7月の広島地裁判決は、国の援護対象区域外にいた原告全員を被爆者と認定。判決を不服とする国の求めで市と県が控訴した。
一方、国は援護区域の拡大も視野に再検証する考えを示し、有識者検討会を設置。今月16日の初会合で、当時の気象状況の再現などを行う五つの作業部会の設置を決めた。