大病院の5割「医療事故」届け出ゼロ…第三者「なかったのかどうか分析必要」

医療機関に患者の予期せぬ死亡事故の届け出を義務づけた医療事故調査制度で、第三者機関「日本医療安全調査機構」は24日、2015年の制度開始から5年の届け出が計1847件だったと発表した。一般的に病床が多いほど医療事故も増える傾向にあるが、全国の400床以上の大病院の5割がこの5年間で一度も届け出をしていない。機構は「果たして医療事故がなかったのかどうか、分析が必要だ」としている。
制度は国内の全医療機関(約18万か所)を対象に15年10月にスタートした。想定外の患者の死亡や死産があった場合、医療機関が自ら「医療事故」かどうかを判断し、機構に届け出る仕組みだ。
厚生労働省は当初、年間1300~2000件の届け出を見込んだが、1~4年目は360~390件で推移し、5年目も347件にとどまった。同機構は「医療機関や医師会に制度の重要性が十分に伝わっていない可能性がある」と分析する。
病床規模別では400床以上の408施設の届け出はゼロ。一方、900床以上の大規模な病院は8割に当たる42施設が届け出た。
届け出には地域差もある。100万人当たりの年間の届け出は宮崎県が最多の5・6件、最少は山梨県の1・2件だった。同機構は「医療機関の意識に地域差があるのは大きな問題だ」として医師会への周知を強化する。