新型コロナウイルスをめぐり、西村康稔経済再生担当相は、今後3週間で感染増加を抑えられなければ「緊急事態宣言が視野に入ってくる」と述べた。政府の分科会からは感染急増地域の往来自粛や、酒類を提供する飲食店の営業時間短縮などが提言された。クリスマス前まで「我慢の3週間」となるが、忘年会など繁忙期の飲食店には致命傷となりかねず、十分な補償が不可欠だ。
分科会の尾身茂会長は、感染状況が上から2番目のステージ3(感染急増)に相当する地域として、札幌市、東京23区、名古屋市、大阪市を例示。これらの地域の往来を今後3週間、なるべく控えるように求めた。
「Go To トラベル」で感染拡大地域からの出発分も一時停止とすることや、高齢であっても比較的症状が軽い人は宿泊施設や自宅での療養を検討することなどを要請。医療体制が逼迫(ひっぱく)している地域では患者搬送や医療従事者の派遣の際に、自衛隊の活用も含め全国的な支援を検討するよう求めた。
分科会に先立ち東京都の小池百合子知事は、島嶼(とうしょ)部を除く都内全域で酒類を提供する飲食店やカラオケ店に28日から12月17日までの20日間にわたり営業時間を午後10時までとするよう再要請すると述べた。
大阪府も27日から接待や酒類提供を伴う飲食店などに午後9時までの時短営業を要請した。
経済が戦後最悪の落ち込みとなった緊急事態宣言の再発動は回避したいが、この時期の3週間の時短は飲食店に大きな打撃となるのも事実だ。
東京都は40万円、大阪府と大阪市は総額50万円の協力金を支給するが、国による追加的な財政支援がなければ、閉店ラッシュとなる恐れもある。
こうしたなかで、財政制度等審議会の榊原定征会長(前経団連会長)は25日、コロナ感染拡大を理由に「(歳出入の)改革の手を緩めてはいけない」とした。国民の命より財政が大事なのか。