コロナ急増の豊洲市場、感染経路“不明”の怪 「陽性でも営業続ける業者」の噂も

新型コロナウイルスの新規感染者が27日に過去最大の570人となった東京都。「東京の台所」といわれる豊洲市場(江東区)では8月15日から今月27日まで累計で143人が感染したが、特に11月以降に急増している。多くは感染経路が不明で、都は「現状ではクラスター(感染者集団)が発生している認識はない」とするが、年末の書き入れ時を前に「警戒感は拭えない」と市場関係者は漏らす。

豊洲市場では、2月29日から中止していたマグロの競り見学を今月2日から再開。以前は1日当たり最大120人受け入れていた人数を27人までに制限し、マスク着用や検温、連絡先の記入などの対策をとった。
一方で、市場内では今月に入り、水産仲卸事業者を中心に感染者が急増中だ。
豊洲市場の業界団体「一般社団法人豊洲市場協会」は保健所の助言に基づき今月2日から、市場内の水産仲卸全事業者を対象に唾液接種によるPCR検査を実施。21日実施分までに計1792人が検査を受け、57人が陽性と判明した。今月末までに約4000人が検査を受ける見込みだ。都は、市場業務への影響はないと説明している。
感染者急増の背景にクラスターの発生を疑う声もあるが、東京都中央卸売市場の担当者は「さまざまな事業者から感染者が確認されているが、多くは感染経路不明であることに変わりはない」とし、クラスターが発生しているとは判断できないとした。
感染防止策としては「業界団体と一体となって巡回指導を強化し、感染症対策の基本であるマスクの着用の徹底について指導するほか、従来から出勤前に検温し、体調不良時は出勤しないことや、手洗い、手指消毒など呼びかけている」と前出の担当者。年末にかけ、巡回指導を強化しているという。
市場関係者は、「感染経路不明の感染者が多い以上、市場関係者はもちろん一般客も警戒感は拭えないのではないか。原因がわからないうちは一般客も年末の買い出しを敬遠し、売り上げに響くかもしれない」と懸念し、市場内の雰囲気についてはこうも語る。
「PCR検査に協力する関係者は多く、マスクの着用や手洗いなどを軽視する動きは少ないと思う。ただ、一部では『陽性だったのに営業を続けた業者がいる』とか、どこまで本当かわからない噂も飛び交ってピリピリしている部分もある」