カトリック長崎大司教区(長崎市)の男性司祭から性被害を受けたと訴える長崎県内の女性信徒が15日、大司教区の高見三明大司教(74)の発言で心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状が悪化する2次被害を受けたとして、大司教区に550万円の損害賠償を求め長崎地裁に提訴した。
訴状などによると、女性は2018年5月に教会内で司祭から無理やり体を触られ、PTSDと診断された。大司教区と示談が成立したが、20年4月、高見大司教が司教区の臨時顧問会で「『被害者』と言えば加害が成立したとの誤解を招く」「『被害を受けたと思っている人』などの表現が望ましい」と発言。女性はこの発言を知り、回復途中にあったPTSDが悪化したと主張している。
また、顧問会の議事録が約70ある小教区の関係者らに配られ「人格を否定し、人権を侵害するものだ」と訴えている。女性は現在、自室にこもりきりで外出もままならない状態という。
女性は15日、代理人弁護士を通じ「怒り、憎しみ、悲しみが日に日に増し、精神的、身体的に追い込まれている」とのコメントを発表。大司教区の担当者は毎日新聞の取材に対し「訴状を見ていないためコメントできない」とした。
男性司祭は、女性の体を触ったなどとして20年2月に強制わいせつ容疑で書類送検されたが、長崎地検は同年4月に不起訴とした。地検は処分理由を明らかにしていない。【中山敦貴】