兵庫県福崎町の七種山で10月、行方不明者の捜索中に逃げ出した県警警察犬「クレバ号」(シェパード、雄2歳)のニュースは全国の注目を集めた。捜査や捜索など様々な活動で活躍する警察犬。普段はどんな訓練を受けているのか。採用方法は――。あまり知られていない警察犬の世界を少しのぞいてみよう。(鈴木彪将)
今年、県内で警察犬が出動したのは803件(10月末現在、前年同期比61件増)。高齢化社会となる中で、
徘
( はい )
徊
( かい ) する認知症患者の捜索など、警察犬の活躍に期待が高まっている。
警察犬は、「直轄」と「嘱託」の2種類に分けられる。
「直轄」は、警察官が直接訓練する警察犬。県警では、神戸市須磨区に専用の犬舎があり、11頭(2~12歳)が所属する。「待て」「来い」などの指示に従う訓練のほか、足跡やにおいを追って対象者を捜す訓練などを日々繰り返し行っている。昨年は全体の約9割で出動した。
一方、指導者のいる民間施設で訓練をするのが「嘱託」だ。滋賀県警で話題になったトイプードルなど、大型犬に限らず、中・小型犬も登録されている。兵庫県警では、毎年12月に審査会があり、においをかぎ分ける臭気選別など課題を突破した犬が委嘱を受け、昨年は31頭(1~10歳、4月現在)が選ばれた。今年は19件(10月末現在)で出動した。出動した場合、1時間3000円が支払われる。
ところで、クレバ号は復帰に向けて、須磨区の犬舎で1日3時間の訓練を続けている。一般の見学はできないが、全国から励ましの声が次々と届いているという。全国の民間訓練所を公認する日本警察犬協会(東京)の梅村充嘱託警察犬部長は「たくさんの経験を積み重ねることしか、解決策はない。訓練をこなし一流の警察犬になって」と激励している。