吉川元農水相の事務所捜索 現金授受めぐり東京地検特捜部

鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの元代表(87)が衆院議員を辞職した吉川貴盛元農林水産相(70)に現金500万円を提供した疑惑で、東京地検特捜部は25日、吉川氏の衆院議員会館事務所(東京都千代田区)や札幌市にある地元事務所など関係先の家宅捜索を始めた。吉川氏は現金の受領を認めており、特捜部は押収した資料を精査し、現金授受の詳しい経緯について捜査を進めるもようだ。
この日午前9時半過ぎ、特捜部の係官が札幌市北区にある事務所の家宅捜索に入った。また、議員会館事務所にも午前10時半過ぎから、係官ら十数人が入っていった。
関係者によると、吉川氏は農水相在任中の平成30年10月~昨年9月、3回にわたり、元代表から大臣室などで現金計500万円を受け取った疑いがあるという。
吉川氏は周囲に現金の受領を認め、「預かったお金で返すつもりだった」などと釈明しており、21日に行われた特捜部の任意の事情聴取でも同様の説明をしたとみられる。
元代表は家畜にとってストレスの少ない飼育環境を目指す「アニマルウェルフェア」(AW)や大規模生産者に対する鶏卵価格下落時の「価格差補(ほ)填(てん)事業」の拡充などをめぐり、農水族を中心とした政治家らに陳情を重ねていた。吉川氏への現金提供について、元代表は「業界のためだった」と説明しているという。
元代表をめぐっては、元農水相で内閣官房参与を辞任した西川公也氏(77)にも現金を配布した疑いが持たれている。
吉川氏は慢性心不全などで入院治療中の21日、「国会議員としての職責を果たすのが難しい」などとして議員辞職を表明し、翌22日に辞職した。特捜部は吉川氏の容体を見極めながら捜査するとみられる。