爆発的な感染拡大を受けて公共施設を相次ぎ閉鎖し、市民の外出や観光客らの来県の自粛を要請するなどロックダウン(都市封鎖)に近い状況下にある沖縄県宮古島市。南国の離島で何が起きているのか。厳しい制限で一変した生活について、現地住民に聞いた。
宮古島市では26日までの直近1週間で人口10万人当たりの新規感染者数が201・4人(発表分)と、都道府県別で最も多い東京(54・5人)の約4倍となった。
市は公園や図書館などを閉鎖したほか、市民には島外への移動自粛も要請。県立宮古病院はコロナ対応に集中するため、一般外来を中止した。ネット上ではPCR検査の順番を待つ乗用車の列が敷地外まで伸びている写真も投稿されている。
沖縄県内の28日の新規感染者数は98人で、このうち同市の感染者が約3分の1に当たる35人を占めた。
市内に住む30代の会社員男性は、「リモートワークができない職業なのでやむなく出社を続けているが、常に危機感や焦燥感を感じストレスがたまっている。必需品の買い出しに出るだけでも若干の後ろめたさを感じる」と心境を明かす。
市立の幼稚園、小中学校も2月7日まで休みとなった。「妻と共働きのため、幼稚園に通う子供の世話と仕事の両立に苦労している。パートで働く妻の就業時間を変更してもらったり、自分自身も半休をとって対応する日もあるが、収入の減少にも不安を覚える」と男性は打ち明ける。
不満は行政に向けられている。「現状では屋外施設や十分な予防対策をとる学校などでは感染例もない。感染者も10代以下の割合は少ないにもかかわらず、そこから活動を止めてしまう市の姿勢で、効果的な予防策を行えるのか」
爆発的な感染が起きた背景について男性は「気温や湿度の低い日が続いたことで換気が不十分になり、手が冷たくなることを嫌って消毒を避ける人も増えていた印象だ」と話す。
17日には市長選の投開票が行われ、無所属新人の座喜味一幸氏(71)が、現職の下地敏彦氏(75)を破り当選した。前出の男性は、「両陣営とも感染予防に配慮していたようだが、多くの人が集まっていた。周辺では会食も行われていたようだ」と話す。感染抑止と原因の究明が急がれる。