ホッキョクグマ「ユキ」、子育てに懸命…配信再生5万回以上で海外でも人気

秋田県男鹿市にある男鹿水族館GAOが、昨年末に出産した雌のホッキョクグマ「ユキ」(21歳)の子育て動画を、連日インターネットに投稿している。出産から数か月は飼育員でも近寄れないといい、赤外線カメラで撮影された鮮明な動画は、海外からも視聴されるなど人気という。
赤外線カメラには集音機能がある。出産直後の赤ちゃんは自力で体温を保てず、常に母親に抱かれてカメラに映っていなかったが、授乳やリラックスした時に出す「キュル、キュル」という独特の鳴き声で生存を確認できたという。
その後の動画には、赤ちゃんが「キャー」と大きな鳴き声を出すと、水を飲みに産室を出ていたユキが急いで戻る様子や、産室の床に敷かれた木材チップの山から勢いよく転げ落ちた赤ちゃんを押しつぶしてしまわないよう、慌てて立ち上がるユキの様子など母子のほのぼのとした日常が映っている。
GAOによると、野生のホッキョクグマの雌は雪を掘った巣穴にこもり、数か月間、何も食べずに子育てをする。同じような環境を作るため、昨年11月からユキの一般展示を中止。飼育室入り口には遮光板を設置し、赤外線カメラで見守ってきた。
ユキは2019年3月に兵庫県の姫路市立動物園から来た。出産したのは昨年12月26日。雄「豪太」との間で初めての赤ちゃん誕生で、GAOは出産当日にユキが黒っぽい赤ちゃんを慈しむようになめる様子を動画投稿サイト・ユーチューブに投稿。再生回数は当時のチャンネル登録者数約1万9000人を上回る5万回以上。米国やロシア、韓国など海外からも視聴されている。飼育員の柿添涼太朗さん(28)は「2月には赤ちゃんの目が開き、産室を元気よく動き回る様子を見てもらえるはず」と話す。
日本動物園水族館協会によると、ホッキョクグマは絶滅危惧種に指定されており、国内に38頭いる。協会でホッキョクグマの繁殖計画などを担当する旭山動物園(北海道)の佐藤伸高獣医師によると、出産は今季、大阪市の天王寺動物園と合わせて国内では6年ぶりで、「子育て動画をほぼ毎日公開する試みは国内初。事故などで死ぬと心ない非難を受ける懸念もある中、情報公開している点も意義深い」と高く評価している。