菅首相は8日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルスワクチンの接種開始が欧米などより遅れた理由について「有効性、安全性に配慮した結果、時間を要した。万全の接種体制を取りたい」と理解を求めた。
首相はワクチンの効果に関して、「人種差が想定され、日本人を対象とした一定の治験(臨床試験)を行う必要がある」とも説明した。
新型コロナウイルスのワクチンを担当する河野行政・規制改革相は同委で、高齢者のワクチン接種について、米製薬大手ファイザー製を使うと明言した。変異したウイルスに対するワクチンの有効性に関して、河野氏は「一定の変異に対しては一定の有効性が保たれているという調査結果がある」と指摘した。
首相は、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の女性に対する発言への見解を問われ、「国益にとって芳しいものではない」と語った。ただ、森氏の進退については「私が判断する問題ではない。人事は組織委員会で決める」と述べるにとどめた。