歓楽街を守れ――! 新型コロナウイルス感染拡大の影響で疲弊したスナックやバーなどを支える独自策が動き出す。北海道釧路市最大の歓楽街「末広」では感染者が出た店の名前をあえて公表する取り組みが16日から始まる。帯広市でも2000円お得なプレミア券の販売が15日決まった。「道内初」(関係者)の試みで、効果が期待される。【本間浩昭、鈴木斉】
「陽性」あえて店名公表 釧路
「隠せば隠すほど尾ひれが付いた風評被害が増える。歓楽街を守るため公表することにした」。こう語るのは、末広のビルオーナー18事業者から成る「歓楽街コロナ対策連絡協議会」の石田博司副会長。店名公表には苦い経験があった。
昨年8月、歓楽街の店舗で働く従業員の感染が初めて判明。さらに10月には2店舗でクラスター(感染者集団)が起きた。当時、店名などが公表されなかったことで、歓楽街全体に感染リスクがあるかのような風評が広がり、客足が遠のいたという。
そこで、陽性者が出た場合、店名や人数などの情報を正確かつ迅速に提供することを決めた。消毒状況や休業期間だけでなく、収束後の営業再開までフォローすることで、当該店舗を孤立させない効果も狙う。
とはいえ、公表はすべての店が対象ではない。歓楽街には600~700店ある。このうち18事業者のビルに入るテナント約350店に協力を求め、約200店が応じた。同協議会は、陽性者が出ればフェイスブックで発信し、今後協力店を増やす考えだ。
1万円で2000円お得なチケット 帯広
帯広市の帯広商工会議所は15日の議員総会で、なじみのスナックなどを助ける独自策を決定した。客がチケットを事前に1万円で購入し、感染が落ち着いた時期に来店して1万2000円分利用できる「プレミア券」だ。
市内の繁華街では、廃業に追い込まれる店も出ており、平日に休業を余儀なくされる店も相次ぐ。資金繰りに困る店の早急な支援が必要なことから、独自策に踏み切った。
3月中旬に1組(1枚3000円分4枚)単位で計5000組の販売受け付けを開始。各店には4月中に販売代金を渡し、客は6月1日~11月30日に利用できる。割引きとの差額1000万円分は会議所が負担する。
対象店舗は、スナックやパブ、キャバレーなど政府の外食需要喚起策「GoToイート」の対象から外れた業態で、居酒屋は含まれない。同会議所の会員58店のほか、未加入店にも呼び掛け最大120店を想定している。
川田章博会頭は10日の記者会見で「街中には人がおらず、いわゆる『夜の店』の経営者の不安は大きい。店を続けようと思えるよう支援したい」と話した。