交際していた妊娠中の少女に無断で「中絶薬」を飲ませて流産させようとしたとして福岡県警西署は22日、福岡市西区の土木作業員の男(20歳代)を不同意堕胎未遂の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。中絶薬は国内では承認されておらず、男はインターネットを通じて入手したとみられる。中絶薬を使ったことによる同容疑の立件は異例。
捜査関係者によると、男は昨秋頃、交際していた少女(10歳代)に別の薬などと偽って経口妊娠中絶薬を飲ませ、同意なく堕胎させようとした疑いが持たれている。少女はその後、流産したという。
少女が「(男に)薬を飲まされてから体調が悪い」などと警察に相談したことから発覚。その後、同署が少女の体を調べたところ、中絶薬の成分が検出されたという。男が使った中絶薬は海外製とみられ、同署は入手ルートを調べている。
中絶薬は、妊娠の継続に必要なホルモンの作用を止めたり、子宮を収縮させたりする成分を含む。欧米では、妊娠初期の中絶法として普及する一方、国内は未承認で、海外製品の販売や譲渡も禁じられている。
ただ、個人輸入による健康被害は後を絶たず、2000年代に海外製の薬を女性が服用し、大量出血などの症状が出るケースが確認された。厚生労働省は04年以降、米国や中国などで販売されている中絶薬について、医師の処方がないと個人輸入も認めない措置を取っている。
警察庁によると、未遂などを含めた不同意堕胎容疑での逮捕は、平成以降9件あるという。