糸魚川で地滑り 住宅など6棟倒壊 一時孤立の4人は救助

4日午前0時ごろ、新潟県糸魚川市来海沢(くるみさわ)の山中で幅100メートル、長さ約1キロにわたって地滑りが起き、流入した土砂で住宅など6棟が倒壊した。けが人はなかった。同市市野々、御前山の2世帯4人が一時孤立したが、県の防災ヘリコプターなどで全員救助された。【石塚誠、池田真由香】
新潟地方気象台によると、1~2日にかけて気温が上がり積雪が解け、地盤が緩んで地滑りを誘発した可能性がある。気象台はこの日、糸魚川市などに融雪注意報を発令していた。
市は同日未明、来海沢の一部の9世帯19人に避難勧告を出し、住民らは西海地区公民館(同市水保)や親戚宅などに避難した。しかし地滑りが収まらず、同日午後には来海沢全域などに避難勧告を拡大。15世帯約25人が入浴施設のある権現荘(同市田麦平)へ避難した。
市によると、同日午前1時10分ごろ、停電の復旧に向かっていた東北電力から「地滑りが発生し道路が寸断されている」と市に連絡があった。
市や県によると、地滑りは来海沢の来海沢会館から西に約200メートルの山あいで起きた。倒壊したのは住宅3棟、空き家など3棟。来海沢、市野々、御前山の57戸で停電しており、来海沢の9世帯で断水している。来海沢では県道が延長190メートルにわたって寸断され、近くを流れる西川も約400メートルにわたって埋まった。
地滑りは午後2時時点でも続いており、市は5日以降、土のうを積むなどの対策を図るが、電気、水道の復旧見込みは立っていない。
現場では、心配そうな表情で見つめる消防関係者や電力関係の人たちが作業に追われていた。
正午すぎには、地滑りで倒壊した住宅が数メートルにわたってずれ動いた。見守った人たちは固唾(かたず)をのんでいた。電力関係の作業員は、近くの電線が地滑りに巻き込まれないよう作業にあたった。近くの70代男性は「心配だわー」と住宅を見つめていた。
同日午後3時すぎには、来海沢地区の住人を乗せた同市のバスが通行止めの地点を通り、公民館の避難所へと向かった。その後、重機を載せたトラックが現場に入り、土砂などをせき止める対策工事をしているとみられる。
この日午後、国立研究開発法人土木研究所雪崩・地すべり研究センター(新潟県妙高市)の判田乾一上席研究員らが、県の防災ヘリで被災現場を調査した。
判田氏は調査後に報道陣の取材に応じた。原因について「融雪による地滑りだと思う」と述べた。現場の様子について「かなりドロドロしたような動きに見えた。今すぐ地滑りが止まるとは考えにくく、油断ができない状況」と語った。
上越地方では、2012年3月にも上越市板倉区国川で雪解けによる大規模な地滑りが起き、11棟が倒壊し、80人に避難勧告が出た。判田氏は「今回の地滑りも類似している」と指摘した。