d払い「抜け穴」巧妙につく…コンビニにスマホ99台持ち込み、たばこ購入図る

NTTドコモの電子決済サービス「d払い」を不正利用し、大量のたばこをだまし取ろうとしたとして、千葉県警は9日、埼玉県富士見市、無職の男(27)らベトナム国籍の2人を詐欺未遂容疑で逮捕した。
発表によると、2人は昨年9月30日、千葉県船橋市内のコンビニ店で99台のスマートフォンを使い、計約293万円分のたばこなどを他人名義のd払いで購入しようとした疑い。2人は容疑を否認している。
実行犯とされる同国籍の男(24)は昨年、逮捕・起訴された。24歳の男は段ボールに大量のスマホを入れて店に現れ、たばこを購入しようとした。2人が指示役で、24歳の男に郵送などでスマホを渡したとみられる。
事件では、契約者情報が書き込まれた通信カード(SIMカード)が入っていないドコモのスマホが使われた。県警はベトナム人グループが、SIMカードがなくても、Wi―Fi(ワイファイ)環境があれば利用できるd払いの特性を巧妙についたとみている。
グループはSNSで「スマホ買います」と呼びかけ、応じた人にd払いのアプリをダウンロードさせていたという。捜査関係者は「(売る側は)SIMカードがないスマホなら、悪用のリスクはないと思ったのではないか」とする。
今回、d払いで購入した商品の支払い方法は、端末の利用代金に上乗せして契約者に請求する「電話料金合算払い」だった。グループには不正使用しても、しばらくは被害が分からないという点も都合がよかった。
事件を受け、ドコモの担当者は「スマホを転売するときは必ず端末の初期化を」と注意を呼びかけている。