旅行ガイドブック「地球の歩き方」を製作していたダイヤモンド・ビッグ社の事業譲渡をめぐり、譲渡手続きは違法だとして、元社長3人が10日、同社と親会社のダイヤモンド社を相手取り、譲渡取り消しと1人当たり1100万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
訴状などによると、ビッグ社は昨年12月に臨時株主総会を開催。株式の97%を持つダイヤモンド社が主導する形で、地球の歩き方などの出版事業を学研ホールディングスのグループ会社へ譲渡することが承認され、ビッグ社の解散・清算も決まった。
3人は地球の歩き方の創刊に関わり、ビッグ社の株主だったが、株主総会の招集通知を受けたものの譲渡契約の内容や詳細な理由などは知らされなかったと主張。提訴後に記者会見した原告の藤田昭雄さん(74)は「提訴すれば、隠していた情報の開示にも応ぜざるを得なくなると考えた」と話した。
[時事通信社]