神鋼石炭火力訴訟、住民敗訴=アセス取り消し認めず―大阪地裁

神戸製鋼所が神戸市灘区で増設中の石炭火力発電所をめぐり、環境影響評価(アセスメント)の内容や手続きに瑕疵(かし)があるして、周辺住民らが評価書を認めた経済産業相の通知の取り消しなどを求めた行政訴訟の判決で、大阪地裁は15日、請求を退けた。住民側は控訴する方針。
森鍵一裁判長は、通知があった2018年時点で微小粒子状物質(PM2.5)を評価項目としていなかったことは不合理ではなく、経産相の判断に裁量権の逸脱、乱用はなかったと判断。神鋼が石炭以外の燃料を検討しなかった点についても、「省令に複数案を設定すべき旨の規定はなかった」として違法性を否定し、請求を棄却した。
住民側は、火力発電所からの二酸化炭素の排出規制に関する規定を定めていないことの違法確認も求めたが、同裁判長は「温暖化による健康被害を受けない公益は政策全体で追求すべきで、原告には確認の利益がない」として却下した。
原告の大阪府の女性(24)は記者会見し、「大変残念で憤りを感じる。気候変動問題は時間がない」と訴えた。
神鋼の石炭火力発電所をめぐっては、住民が建設差し止めなどを求めた民事訴訟が神戸地裁で係争中。
[時事通信社]