名古屋市営地下鉄でドアにつえが挟まったまま発車したことで重傷を負ったとして、市内の60歳代女性が市に6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、名古屋地裁であった。前田郁勝裁判長は運転士の過失を認め、市に653万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は脊髄炎や骨粗しょう症の持病があり、つえを使っていたが、2016年12月26日、市営地下鉄桜通線で、終点の徳重駅で降りる直前にドアが閉まり、つえが外に出た状態で挟まった。電車が別の線路に入るため発進した際、つえがホームドアに当たるなどし、車内でつえを握っていた女性が衝撃で胸椎を折る重傷を負った。女性には、歩行が困難になる後遺症も残った。
前田裁判長は、運転士はつえが挟まったドア付近に人が集まっていたのに発車させたとし、「事故を防ぐ注意義務に違反した過失がある」と認定。一方、骨折は骨粗しょう症の影響もあり、ドアが閉まる直前につえを差し出した女性にも過失があったと判断した。
市交通局は「判決内容を精査し、対応を検討する」としている。