選択的夫婦別姓「反対」の急先鋒・高市前総務相「旧姓の通称使用を拡大すればいい。あくまで日本は日本だ」

「選択的夫婦別姓」を導入すべきか否か。これがいま、国会論戦などでテーマとなっている。日本では現行法上、結婚すると戸籍上の姓(法律上は氏)は夫婦同一となるが、別々にするのが認められると、夫婦で責任を共有して子供を育てるという「家族の一体感」は損なわれかねない。こうした理由から導入に慎重な高市早苗前総務相に、「夫婦別姓」の危うさについて聞いた。

「日本は歴史上、あくまで『家族』を社会の基礎単位と考えてきた。夫婦親子同姓という戸籍上のファミリーネーム(家族の名称)は明治時代以来、公序良俗として確立し、社会に定着している。これからもしっかり守るべきだ」
高市氏はこう語った。
同氏は「夫婦別姓」に慎重な自民党有志による議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表を務めるなど、党内きっての「別姓反対派」で知られる。
「別姓賛成派」は「結婚で夫婦の一方が姓を変えると、仕事上の連続性がなくなる。自分が自分ではなくなる気がする」などと主張している。
これに対し、高市氏は「戸籍の姓と旧姓の併記が、既にマイナンバーカードやパスポート、住民票などのほか、弁護士など多くの国家資格で認められている。旧姓を通称使用できる企業も増えている。姓を変えることで不利益があるというなら、家族の一体感を守るためにも夫婦同姓を堅持したうえで、旧姓の通称使用の拡大でなくすのが現実的だ」と反論する。
高市氏は、仮に夫婦別姓が認められた場合に、従来の夫婦同姓の制度と一体不可分である戸籍制度に、大きな影響が出ることを懸念している。
「結婚すると、夫婦やその間に生まれた子供は同じ戸籍に登載され、姓は『家族の名称』という意味を持つ。だが、別姓になれば姓は単なる『個人の名称』になる。たとえ『選択制』にしても、家族の呼称を持たない存在を認める以上、結局は制度としての家族の呼称は廃止せざるを得なくなるだろう。事は家族の根幹に関わる。『夫婦別姓』を認めると、子供が夫と妻のどちらの姓を名乗るのか、どの時点で決めるかといった問題も生じかねない。より慎重な議論が必要だ」
「別姓賛成派」は「国際社会で夫婦同氏を法律で義務付けている国は、日本以外に見当たらない」ともいう。
高市氏はこれも「モンゴルのように名字がない国もあれば、かなり長いミドルネームを付ける事例もある。家族をめぐる諸制度は、各国の歴史や文化に根差すものだ。あくまで日本は日本なのだ」と一蹴する。
そのうえで「別姓推進派は『別姓反対=男女共同参画反対』と結びつけようともするが、これも違う。そもそも男女共同参画とは、男性でも女性でも働きやすい職場を作るもので、戸籍上の氏をめぐる問題とは全くの無関係だ」と語っている。