5月連休明けの感染者「首都圏は1月に逆戻り、関西は現状の10倍」 緊急事態宣言解除で「リバウンド」「変異株」の懸念 専門家が警鐘

2カ月半に及ぶ新型コロナウイルス緊急事態宣言が21日で全面解除される。菅義偉首相は「感染者数はリバウンド(再拡大)が懸念されている。変異株にも警戒する必要がある」と述べるが、すでに感染者数は増加傾向で、専門家は「首都圏で1月の水準に逆戻りし、関西では現状の10倍になる」と危惧する。
政府は解除後の対応として、飲食対策▽変異株対策の強化▽検査拡充▽ワクチン接種の推進▽医療提供体制の充実-の5本柱による総合対策を決定した。
65歳以上の高齢者向けのワクチンが自治体に配布されるのが6月末。それまで感染を抑制し、ワクチン接種を一定程度進めて東京五輪・パラリンピックを迎えるという思惑だが、感染第4波への懸念は強い。18日の都のモニタリング会議では、専門家が「今後、年末年始を超える急拡大も危惧される」と警告した。
日本医科大の北村義浩特任教授(感染症学)は、「東京は現在、横ばいの範囲内だが、変異株が急速に広がるなか、宣言解除で感染を抑える力を緩めれば、相対的にウイルスが広がる力が強まるのは当然だ」と語る。
宣言を解除済みの関西も感染拡大傾向だ。1人が何人にうつすかを示す実効再生産数について、東洋経済オンラインの18日時点のデータでは、大阪府が1・22、京都府が1・27、兵庫県が1・57と節目の1を上回った。首都圏では東京と埼玉県が1を超えている。
北村氏は、「この数字は2週間前の拡大傾向を示すので、今はおそらくもっと高い実効再生産数になっているはずだ。1・4程度が続くと考えた場合、関西は5月の大型連休明けに現在の10倍になる可能性もある。東京も昨年12月から今年1月のような状況が再来することも否定できない。宣言解除後に、夜間の飲食営業を止めるなどより強力な対策が求められる」と強調した。
大阪の18日の新規感染者数は141人で、10倍とすると1400人を超えることになる。東京は1月7日に2520人を記録している。
緊急事態宣言の対象とならなかった32県知事は連名で観光支援事業「Go To トラベル」の段階的な早期再開を求めている。
経済活動の再開と並行して、感染対策の継続と医療体制の整備が急務だ。