来月からの開始を予定している新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種を前に、北海道の各市町村では準備が進む。ワクチンの供給量が限られる中で、接種の優先順位は各市町村で様々だ。
高齢者向けのワクチンは、政府が道内に向け4月5日の週に2箱、12日の週と19日の週に各10箱を発送する。道はこの計22箱を道内21の「第2次医療圏」全てに行き渡るよう、22市町に1箱ずつ振り分ける。26日の週には道内全自治体各1箱に相当する179箱が発送される。
道内の接種対象者は約165万人だが、4月中に発送される分は23万5170回分にすぎない。数が限られる中で、接種の優先順位の決定は各市町村に委ねられている。
札幌市や岩見沢市、室蘭市、留萌市など多くの市町村では、老人ホームなどの高齢者施設を優先する方針だ。背景には、クラスター(感染集団)発生防止の狙いがある。
道によると、道内で3月29日までに発生したクラスター357件のうち、老人ホームや障害者施設など「社会福祉施設」での発生が103件と約3割を占め、「店舗」(78件)や「医療機関」(64件)を上回る。釧路市では「施設でも、個室ではなく大部屋があるところを優先する」などとしている。
一方、八雲町では「施設に派遣する医療従事者の調整が十分に進んでいない」として、接種は施設入所者と75歳以上を同時に進める方針で、苫小牧市では「かかりつけ医の個別接種を中心に行い、順位付けはしない」などとした。
また1瓶あたり6回接種を原則とする中で、各会場の人数が6で割り切れずに「使い残り」が出ないよう、独自の方法を検討しているのが旭川市だ。ワクチンが余った場合に備え、市の指定する日時に接種を受けられる人を事前登録する。登録者は、かかりつけ医などを通して申し込む方式を考えているという。
道は、市町村や道民に対する情報提供として、手稲渓仁会病院(札幌市手稲区)が実施したワクチン接種のリハーサルの様子を撮影した動画を「ユーチューブ」に公開している。
動画では受付で「密」にならないよう職員が声かけする様子や、体調急変者が出た場合の対応策などが紹介されている。また道は、副反応などの専門的な質問に対応する専用のコールセンターの設置も急いでいる。