ファイザー製2回接種で「99・8%に抗体」…研究チーム「コロナと戦う力ついた」

川崎医科大の研究チームは13日、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを2回接種した人の99・8%が感染を防ぐ可能性がある抗体を得たとする経過報告を発表した。研究責任者で、厚生労働省の「予防接種・ワクチン分科会」で分科会長代理を務める中野貴司教授(感染症学)は「ワクチンを打つことでコロナと戦う力がついたと考えられる」と話している。(藤沢一紀)
同大を運営する川崎学園では、3月5日から医療従事者向けの優先接種を開始。同学園職員2529人が接種前と後の血液を提供するなどして、ワクチンの効果と安全性を検証する研究を続けてきた。
中野教授によると、10日時点で調査結果が判明した医師や看護師ら594人(20~80歳代)のうち、593人(99・8%)で2回目の接種から4週間後に抗体の量を示す「抗体価」が一定量以上確認された。また、若い人ほど抗体価が高かったという。
確実に発病を予防できるレベルの抗体価は特定できていないが、きちんと2回接種することでワクチンの効果を期待できるという。
米ファイザー製のワクチンを巡っては、横浜市立大の研究チームも12日、2回接種すると、英国型などの変異ウイルスを防ぐ可能性がある抗体ができるとする解析結果を発表している。
中野教授は抗体の持続期間などについて研究を続ける方針で「副反応を不安に感じる人も多い。接種が適切に進むように、今後もデータの蓄積を続ける」と話している。