クラスター発生の病院、原因は「水際対策」漏れ…入院時の検査不徹底

新潟県魚沼市立小出病院で新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)が発生した問題で、同病院と市は12日、記者会見を開き、入院時の患者の抗原検査などが徹底されず、感染が拡大した可能性があると明らかにした。布施克也院長は「全ての患者の感染を疑う状況にないと考えていた。感度を上げるべきだった」と話した。
同病院では4月23日に職員の感染がわかり、今月12日までに入院患者や職員ら計35人の陽性が判明した。職員約250人のうち看護師を中心に31人が入院や自宅待機となり、外来診療を原則休止するなどの措置を取っている。
同病院によると、4月中旬に入院した患者の中に感染者がいたとみられるが、症状がなかったため抗原検査などを行わず、他の患者や職員に感染が広がった可能性があるという。布施院長は「入院患者には症状がなくても検査するなど、『水際対策』を強化したい」と述べた。
同病院は外来診療を17日から順次再開するが、入院の受け入れは当面停止する。