熊本に土砂災害警戒情報、1人不明 宮崎、鹿児島、大分も大雨警報

梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、九州を中心に16日夜から17日にかけて局地的に大雨が降った。熊本、宮崎、鹿児島、大分の各県に大雨警報が出たほか、熊本県は避難が必要となる土砂災害警戒情報(警戒レベル4相当)を発令した。熊本県山都町では、17日午前6時ごろに「畑を見に行く」と家族に伝えて外出した同町牧野の坂本スミ子さん(78)が行方不明となっている。
気象庁によると、山都町では午前6時までの1時間に5月としては最大となる90・5ミリの猛烈な雨が降った。また、午前10時までの24時間雨量も山都町で5月として最大の240・5ミリを観測したほか、南阿蘇村で170・5ミリ、阿蘇市で167・5ミリと100ミリを超す激しい雨が降った。
熊本県益城町では17日午前3時48分ごろ、同町福富の住民から「床上浸水している」と119番があった。町によると、近くを流れる妙見川があふれて約30世帯が床上浸水した。けが人などはいないという。
17日に予想される1時間雨量は多いところで▽大分、熊本60ミリ▽鹿児島、宮崎、長崎50ミリ▽福岡、山口30ミリ。18日午前6時までの24時間雨量は▽九州、東海150ミリ▽北陸120ミリ▽中国80ミリ――と予想しており、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に警戒するよう呼びかけている。【栗栖由喜、浅野孝仁】