自衛隊が運営する大規模接種センターでの新型コロナウイルスワクチンの接種が24日、東京と大阪でスタートした。大阪会場ではこの日を待ちわびた高齢者らで行列もでき、接種後はほっとした表情を見せていた。ターミナル駅からの直行バスも運行されて会場運営への不満は目立たなかったものの、「かかりつけ医に打ってもらった方がより安心」との声も漏れた。
大阪会場の大阪府立国際会議場(大阪市北区)では、午前7時半の開場前から約60人が並んだ。接種の対象となったのは、インターネットで事前に予約した大阪市在住の65歳以上2500人。時間帯指定予約制だったが、行列の先頭にいた此花区の若井靖子さん(80)は「1番に接種を受けたかった」と語った。
開場すると、高齢者らはスタッフの案内で次々に会場へ。自衛隊の医官から問診された後、接種を受けていた。2回目の接種予約も会場でそのままでき、最短30分程度で帰宅できるという。北区のビル管理業、十河(そごう)豊さん(68)は「スムーズに受けられた。新型コロナが怖いから、少しでも早く打ちたかった」。中央区の岩前房子さん(73)は「早く接種を受ける方が安心。ネットは苦手なので、娘が予約を取ってくれた。接種は少し痛みがあったが、今のところ副反応などはない」と話した。
この日はJR大阪駅前、南海難波駅前の計2カ所と会場を結ぶ直行バスの運行も始まった。会場が大阪駅から約1・5キロなどとターミナル駅から離れていることを考慮して大阪シティバスが運営するもので、接種券を見せれば無料で乗れる。大阪駅前から直行便に乗った北区の佐野雅子さん(79)は、以前に体調不良で近くの病院で感染の有無を検査したところ、陰性だったが感染疑いと診断されたという。「付きまとう不安を解消するため、早く接種したかった」と安心した様子だった。パート従業員の女性(66)も「市の接種を待つと、60代は来月になる。大阪の感染状況は厳しく、少しでも早い国の接種を選んだ」と語った。
ただし、大規模接種という手法に疑問を投げかける声も出ていた。淀川区の十河一价(かずより)さん(78)は「孫の顔を長く見られていないので、国の接種会場はありがたい」としつつ、「自分の体を最もよく知る医師の方が安心する。ワクチンの供給量を増やし、地元のかかりつけ医で打てる態勢を整えてほしかった」と注文をつけた。【古川幸奈、隈元悠太、鶴見泰寿】