<独自>マスク着脱きっかけに「燃やすぞ」と脅迫 容疑で大学准教授を逮捕

飲食店で居合わせた男性とマスク着脱をめぐってトラブルになり、男性が働く会社に脅迫電話をかけたとして、大阪府警は24日、脅迫容疑で、四天王寺大(大阪府羽曳野市)准教授の恵木徹待(えき・てつなが)容疑者(48)=大阪府高石市=を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
恵木容疑者は4月下旬~5月上旬にかけ、高石市内の会社に繰り返し電話をかけ、男性らに「殺す」「燃やすぞ」などと脅迫した疑いがある。
捜査関係者などによると、恵木容疑者は昨年11月ごろに訪れた同市内の飲食店で、客として居合わせた40代の男性がマスクを外して食事をしていた最中に、携帯電話で短時間会話をしたことに立腹。男性が食事後、飲食店近くにある会社に入っていく姿を確認したとみられ、それ以降、執拗(しつよう)に脅迫電話や無言電話が会社にかかるようになり、危険を感じた男性らが府警に相談した。
その後、会社への着信履歴を調べるなどした結果、恵木容疑者が電話をかけていた疑いが強まり、府警は男性らに危害が及ぶ可能性があることなどから、逮捕に踏み切った。
恵木容疑者は四天王寺大人文社会学部国際キャリア学科に所属し、国際政治や安全保障などを専門としている。
相次ぐマスクトラブル
新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、マスクの着用をめぐるトラブルは後を絶たず、他人に危害を加えて逮捕されるケースもある。
昨年9月、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションの機内で、別の乗客からマスクを着けていないことをとがめられた30代の男が激高。マスク着用を拒否し続け、客室乗務員の腕をひねって軽傷を負わせるなどし、乗客約120人を乗せた航空機は臨時着陸した。男は航空法違反などの容疑で大阪府警に逮捕された。
また、今年1月の大学入学共通テストでは、マスクを鼻まで覆わずに失格となった男が、会場内のトイレに長時間居座ったとして、警視庁に逮捕された。男は試験監督による再三の注意に応じず「これが自分の正しいマスクの着用」と主張。この騒動で試験の開始時間が遅れるなど、多くの受験生に影響を与えた。
海外ではマスク着用を義務づけるところもあるが、日本国内でのマスク着用はあくまでも「お願い」に過ぎない。マスクを適切に着用しないことが法律に抵触するわけではないが、今後もマスク着用をめぐるトラブルが身近に起きる可能性はある。
奈良女子大の岡本英生教授(犯罪心理学)は「コロナ禍でマスク着用は『誰もが守るべきルール』という意識が強まっている」と指摘。「みんな我慢して着けているのに」といういらだちや「感染したくない」という恐怖が、「他人のマスクマナーに対する過度な反応を引き起こし、トラブルにつながってしまうのだろう」と話している。