奈良市は、2020年度に保護した犬と猫の殺処分(自然死、負傷し治る見込みがない場合の安楽死を除く)がゼロだったと発表した。ゼロとなるのは2年連続。市は、動物愛護の機運が高まる中、ボランティアとの連携を強化するなどしており、犬と猫の市民への譲渡の件数が過去最高になるなど、対策が奏功している。(岸本英樹)
発表によると、20年度の犬と猫の保護施設への収容は194件あり、内訳は、市民からの引き取りが158件、負傷救護が29件、野良犬の捕獲が7件だった。これに対して、譲渡や殺処分を含む処分件数は195件あり、譲渡が173件と前年度を9件上回ったほか、自然死・安楽死が12件、探し犬・猫などの飼い主への返還が10件だった。
11年度は収容が529件、処分が522件あり、譲渡は5件、殺処分は400件で、状況は大きく改善された格好だ。
市は、〈1〉不妊手術などによる引き取り数の減少〈2〉幼い猫などの飼養の充実〈3〉譲渡の推進――を柱に、活動に取り組むボランティアの登録を募り、謝礼金や補助金を支払う仕組みを充実させてきた。
〈1〉では、18年に、飼い主のいない猫に対する不妊去勢手術費を補助する制度を開始。20年度は84匹分が助成の対象となった。21年度からは、こうした活動に取り組むボランティアに謝礼を支払う制度も始めた。
〈2〉では、18年から、保護された生後2か月未満の猫や、人になれていない犬や猫を預かるボランティア制度を開始。現在21人が登録している。謝礼や医療費の補助を支払う仕組みもある。
〈3〉では、15年に、保護犬猫の飼い主を探すボランティアに登録してもらう制度を始め、現在、10団体と3人が活動。18年4月には、購入者に死ぬまで飼育することなどを誓約してもらい、マイクロチップを装着して販売するパートナーシップ店の登録を開始し、4店が認定されている。
今年度は、ふるさと納税で「犬猫殺処分ZEROプロジェクト」の用途を指定された寄付1025万円を活用し、ボランティアの負担軽減も図る。
仲川げん市長は「愛護団体に協力してもらいながら、きめ細かい保護活動に取り組んできた。大きな実績を作ることができ、自信になる。今後も殺処分ゼロを維持していきたい」と話している。