島根県内でスーパーを展開する「ウシオ」(出雲市)の社員、高木教生(のりお)さん(当時36歳)=同市=の過労自殺訴訟で、労災と認めた5月31日の松江地裁判決を受け、高木さんの遺族や支援者が4日、島根労働局と松江地方法務局を訪れ、控訴を断念するよう申し入れた。
島根労働局では、高木さんの母栄子さん(74)が代表を務める「山陰過労死等を考える家族の会」の三浦一雄事務局長が金坂正也・労災補償課長に申し入れ書を手渡した。申し入れ書では「残された遺族は、自死から11年8カ月余にわたり傷つき深い悲しみの中、誠実に生きてきた教生さんの無念を晴らそうとたたかってきた。判決を真摯(しんし)に受け止め、控訴しないことを強く要請する」などとしている。
金坂課長は「気持ちを承った。要請はすぐ厚労省の担当に伝える」と述べた。同労働局には既に全国から約40の同趣旨の申し入れが届いているという。栄子さんは「控訴があるかと思うと不安で胸が苦しい。良い返事が返ってきたら」と話した。【小坂春乃】