総務省は4日、放送事業会社「東北新社」やNTTによる一連の接待問題を受け、情報通信担当部局の職員約170人を対象に行った調査結果を発表した。32人の職員が2015年~20年11月の期間で延べ78件の国家公務員倫理規程に違反する接待を受けていたとし、処分した。そのうち9人を4日付で減給・戒告の懲戒処分とし、23人を訓告や厳重注意などとした。武田良太総務相は、大臣給与を3カ月分自主返納する。
第三者による検証委員会も報告書をまとめ、東北新社の外資規制違反について「総務省は認識した可能性が高いにもかかわらず、対応を行わなかった点で行政をゆがめたとの指摘は免れない」と結論づけた。
武田氏は4日、臨時記者会見を開き、「総務省幹部職員の会食に関わる事案で、国民に疑念を抱かせる事態となっていることを深くおわびする」と陳謝した。「外資規制を見逃したことは重大な問題だ。再発防止にしっかり取り組み、信頼回復に努める」と語った。
調査結果によると、対象者から約1500件の会食の申告があり、このうち企業側が全額負担するなどの倫理規程違反は延べ78件に上った。接待したのはNTTグループ5社、「匿名」で発表した事業会社6社、東北新社の計12社。件数はNTTドコモが最多の39件で、東北新社は19件だった。
懲戒処分を受けた9人の職員のうち5人は減給処分で、井幡晃三・放送政策課長を減給10分の1(3カ月)▽吉田真人総務審議官、奈良俊哉内閣審議官、秋本芳徳前情報流通行政局長を減給10分の2(1カ月)▽玉田康人総務課長を減給10分の1(1カ月)――とした。1件あたりの接待の最高額は、井幡氏が受けた飲食代と土産の野球観戦チケット代を含めた約6万円だった。戒告の対象は局長級2人と課長級2人。残る23人は訓告や厳重注意などの処分とし、黒田武一郎事務次官は訓告、原邦彰官房長は厳重注意処分とする。総務省は役職ごとの利害関係者一覧を作成し、職員向け研修機会を増やすなど再発防止策も発表した。
第三者委も4日、東北新社による接待を調査した「第1次検証報告書」を発表した。報告書は、総務省が17年8月時点で東北新社が外資規制違反状態にあることを「(担当課長らが)認識しながら、放送事業者の認定を取り消さなかった可能性が高い」などと指摘した。ただ、接待の際に、外資規制をめぐるやりとりがあったかどうかは確認されなかったとしている。
総務省は2~3月、東北新社やNTTから倫理規程違反にあたる接待を受けていた当時の谷脇康彦総務審議官ら12人を処分した。元総務審議官の山田真貴子内閣広報官も辞職した。【藤渕志保】