日本文学振興会は第165回芥川・直木賞の候補作を発表した。選考会は7月14日、東京都内で開かれる。
芥川賞は5人中、3人が初の候補入り。石沢麻依さんの候補作は、今年の群像新人文学賞受賞作。くどうれいんさんは短歌や俳句、エッセーを中心に活動してきた作家で、東日本大震災を題材とした初の小説で候補に選ばれた。高瀬隼子さんは、2019年にすばる文学賞を受賞した新鋭。千葉雅也さんは哲学者で、初の小説が候補となった第162回に続いて2度目のノミネート。同じく2回目の李琴峰さんは台湾出身で、日本語で創作活動を続けている。
直木賞も、5人中3人が初ノミネート。最多の澤田瞳子さんは歴史・時代小説を手がけ、現在、本紙で額田王を主人公にした連載小説「恋ふらむ鳥は」を執筆している。呉勝浩さんは昨年、吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞をダブル受賞した実力派。佐藤究さんは今年5月に山本周五郎賞に選ばれた話題作で初候補入り。砂原浩太朗さんは架空の藩を舞台にした時代小説、一穂ミチさんは人知れず悩みや苦しい過去を抱えながら生きる人々を描いた短編集でそれぞれ初めて選ばれた。【関雄輔、須藤唯哉】
芥川・直木賞候補作
名前(年齢)、候補作、候補回数の順。
<芥川賞>
石沢麻依(41)「貝に続く場所にて」群像6月号…初
くどうれいん(26)「氷柱(つらら)の声」群像4月号…初
高瀬隼子(33)「水たまりで息をする」すばる3月号…初
千葉雅也(42)「オーバーヒート」新潮6月号…2
李琴峰(31)「彼岸花が咲く島」文学界3月号…2
<直木賞>
一穂ミチ(43)「スモールワールズ」講談社…初
呉勝浩(39)「おれたちの歌をうたえ」文芸春秋…2
佐藤究(43)「テスカトリポカ」KADOKAWA…初
澤田瞳子(43)「星落ちて、なお」文芸春秋…5
砂原浩太朗(52)「高瀬庄左衛門御留書」講談社…初
※50音順、敬称略、年齢は選考会当日現在