新潟県村上市内の事業所に侵入し、女性のサンダルを盗んだとして、同市の会社員の男(47)が窃盗容疑などで逮捕、起訴された。自宅からは、女性ものの靴やナースシューズと呼ばれる看護師用の靴が約140足押収されており、村上署が余罪を調べている。男は7年前にも同容疑で逮捕されており、取り調べに「子供のころから女性の靴が好きだった」と供述しているという。
会社では真面目
逮捕容疑は、今年3月2日午後6時ごろ、村上市内の事業所に侵入し、女性のサンダル1足(約500円相当)を盗んだとしている。
この事業所では以前から女性の靴が盗まれる事案が発生していたことから防犯カメラを設置。防犯カメラに写っていた不審者の映像をもとに、周辺の聞き込みを行ったところ、この男が浮上し、5月19日、自宅で逮捕した。取り調べに対し「申し訳ありません」と容疑を認めているという。同28日に起訴された。
動機について「子供のころから女性の靴が好きで、性的興奮を覚えた」と供述しているという。
男を知る関係者は「見た感じはどこにでもいそうな普通の会社員。製造関係の仕事をしていて会社での仕事ぶりは真面目だった」と話しており、会社の中と外では違った顔を持っていたようだ。
捜査員が男の部屋を捜索したところ、ベッドの下やクローゼット、押し入れの天袋などから計139足の女性ものの靴やナースシューズが段ボール箱などに入った状態で見つかった。このほか、襟元にマジックで名前が書かれた白いナース服1着、黒っぽいカーディガン1着、ストッキング2足も出てきた。
取り調べに対し「半分ほどは盗んだもので、残りはネット取引や中古ショップで買ったもの。数年前から盗んでいた」と供述しており、同署は余罪を調べている。
平成26年にも
実はこの男、平成26年秋にも、新潟市内のドラッグストアや病院、介護施設からナースシューズを盗んだとして窃盗容疑で逮捕されており、同署は常習性があるとみている。
犯罪心理学が専門の出口保行・東京未来大学教授は「何に性的興奮を覚えるかは人それぞれだが、検挙されるかもしないというリスクと、(盗みなどの)行動に移すことで失うコストを考えて、行動に移さないのが一般的。その意味で非常に珍しいケースといえる」と指摘。
過去にも同様の事件を起こしていることについては「いったんは自分がやったことを自覚するが、かつての興奮が忘れられず、またやってしまったのだろう。こうした容疑者は、被害者が迷惑していることに思いが至らないケースが多いので、被害者の心情をきちんとわからせる必要がある」と話している。
押収品公開のワケ
同署は6月10日、男の部屋から押収した大量の靴を報道陣に公開。講堂に敷かれたブルーシートの上に、使用感のある女性ものの靴などがずらりと並んだ光景はなんとも異様だった。
このうち半分ほどが盗まれたものだが、同署や周辺の警察署には全く被害届が出されていない。長谷川淳副署長は「はいていた靴を盗まれたぐらいでは被害届を出しづらいのかもしれない」とみる。
同署は押収品を公開することで、盗難にあった女性から被害届が出されることを期待。余罪の追及につなげたい考えだ。
心当たりのある方は村上署(0254・52・0110)まで。
(本田賢一)