ゆうちょ銀行が発行するデビット・プリペイドカード「mijica(ミヂカ)」を悪用して不正な送金をしたとして、埼玉など11府県警の合同捜査本部は24日午前、埼玉県八潮市の中国籍の看護師、劉佳被告(28)=詐欺罪などで公判中=を電子計算機使用詐欺容疑で再逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。ミヂカの不正利用を巡る逮捕は全国で初めて。劉容疑者はNTTドコモの電子決済サービス「ドコモ口座」の不正送金事件を巡って計5回逮捕されており、捜査本部は同じ中国の犯罪組織が関与している可能性があるとみて追及する。
逮捕容疑は2020年9月16日、何者かと共謀し、不正に入手した県内の女性名義のミヂカのIDやパスワードを使い、女性個人の会員専用ウェブページに3回にわたりアクセス。女性のゆうちょ銀行の口座から女性名義のミヂカに不正に現金をチャージした上、自分名義のミヂカに約3万円を送金したとしている。容疑を否認しているという。
捜査関係者などによると、容疑者らは会員同士でチャージした現金を簡単に送り合えるサービス「おくってmijica」(利用停止中)を悪用し、不正送金していた。劉容疑者は自分のカードIDを指示役に伝え、被害女性のミヂカから送金を受けて、県内のコンビニで加熱式たばこを購入したとみられるという。
県警は通信記録などから、劉容疑者が43人から計約109万円の不正送金を受け、加熱式たばこ209カートンを購入したとみている。犯罪組織から指示を受けた「買い子」だったとみて追及する。
ミヂカは10万円を上限にチャージできるカードで、ひも付けしたゆうちょ銀行の口座からチャージでき、口座から直接支払うデビットカードの機能を付与することもできる。ゆうちょ銀行によると、20年8~9月、「おくってmijica」を悪用して計54人から約332万円が不正に引き出されたことが判明している。同行は調査の結果、不正ログインを検知する仕組みなどが不十分だったとして、ミヂカのサービスを22年夏ごろに終えると発表している。
【平本絢子、成澤隼人】